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特区民泊について

特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した民泊のことで、正式には「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」と呼ばれます。

 

特区内にある物件で、必要な要件を満たして、知事から特定認定許可を受ければ、旅館業法の規制を受ける対象にならず、届け出によって手軽に民泊を営業できるということです。

うまく適用区域で物件を出す予定のある方であればぜひ活用したい制度ですので下記で説明していきます。

国家戦略特別区域とは、安倍内閣が日本の成長戦略の柱の一つとして掲げている、地域振興と国際競争力の向上を目的として規定された経済特区のことを指します。

現行の日本の法律では、原則として賃貸業は1ヶ月以上から、宿泊期間が1ヶ月未満の施設では旅館業法が適用されます。

2泊だけ、3泊だけの賃貸借は認められません。そのため、1ヶ月未満で部屋を貸したい場合は、旅館業法を取得する必要があります。

国家戦略特区では、そのエリア内に限って従来の規制を緩和することが認められており、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」の認定を受けることで、旅館業法の規定が適用されないという制度があります。

国家戦略特区の一覧

東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)、関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、福岡県北九州市、沖縄県、秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知県、広島県、愛媛県今治市

特区民泊が可能な自治体の例

東京都大田区・大阪府(一部地域を除く)・大阪府大阪市・福岡県北九州市・新潟県新潟市

見て頂いてお分かりの通り、特区民泊が行えるエリアはかなり少ないです。とてもメリットがある制度なのですが、そのため、現在では活用できている物件はほんのすこしの物件にとどまります。

特区民泊の認定を受けるための主な要件

・宿泊施設の所在地が国家戦略特別区域内にある・宿泊施設の滞在期間が範囲内で自治体が定めた期間以上

・一居室の床面積は25㎡以上。(ただし自治体の判断で変更可能)・施設使用方法に関する外国語案内、緊急時の外国語による情報提供、その他の外国人旅客の滞在に必要な役務の提供

・滞在者名簿の備え付け・施設周辺地域の住民に対する適切な説明

・施設周辺地域の住民からの苦情および問合せに対する適切かつ迅速な対応

 

補足として、区分所有の建物で特区民泊の認定を受ける場合、管理規約において区分所有者がその専有部分を特区民泊に使用することが「できる」旨を明示した規定があるときは特区認定の対象となりますが「禁止する」旨を明示した規定があるときは、特定認定は受けられません。 また、管理規約が標準管理規約のままとなっており、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」との規定がある場合については、管理組合として既に特区民泊を禁止する決議をされている場合を除き、特定認定の対象となります。これは、特区民泊という制度自体がもともと旅館業ではなく住宅としての施設利用を前提とした制度となっているためです。

(参照条文)

<国家戦略特別区域法>
第十三条
 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の四の項において同じ。)を定めた区域計画について、第八条第七項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項第二号において「内閣総理大臣認定」という。)を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。