感覚を持ち合わせてないことをしても上手くいかない
不動産投資を例に考えてみますが、こういった方が非常に多いです。
「不動産投資をしているけど、いつまで経っても、全くお金に余裕ができそうにない」
私は、普段、大家会などで講演させて頂く機会も多いですし、自分のセミナー動員数は2300人になりますが、この悩みを持たれている方はめちゃくちゃ多いです。正直な話90%くらいなのではないかと思っています。
不動産投資は、金融機関から多額の借金をして行う投資です。
知識もないのに、数千万円、数億円の融資が受けられてしまいます。もちろん、業者は、それを知っているので、サラリーマン相手に、あの手この手で良さそうに話してくることもあります。
本来は、不動産投資は、ローリスクローリターンと言われるように、きちんとやればリスクが低い投資です。
ただ、それは、知見のある投資家が正しく行った場合の話であり、素人が裸足でやっていては、ひたすらハイリスク以外の何物でもありません。
では、なぜこういったことが起こるのか考えてみました。
その原因は、自分で「感覚」を持っている金額のことをしないから起こっています。
感覚が持てないので、想像もできないし、判断も鈍るのです。
自分の中にその額を扱う器がないのです。
簡単に表現してみます。例えば、あなたは今から、スーパーに行くとします。寿司が食べたい。1パック498円の寿司と、1パック2000円の寿司が売っています。
「今日は節約しよう。給料日前だ」と思えば498円の寿司を買うでしょう。
「今日は仕事を頑張ったぞ。自分へのご褒美だ」と思えば2000円の寿司を買うでしょう。
自分の中での498円と2000円が、どういうお話なのか、明確に違いがわかっており、自分自身で判断できます。100%問題なく意思決定できます。
それは、自分がその金額に対して感覚を持っており、その金額を扱う器を持っているからです。
扱う金額に対する「感覚と器」を持っているか
きちんと自分が判断できて、自信を持って進めていくためには、自分が感覚のある金額のことをやれば、明確に計算できて失敗もしにくいですし、コントロールはしやすいのです。
では、持ったこともない金額に感覚があるわけがないのですが、感覚がないのにどうやって判断するのでしょうか。
3億円の借金をして不動産買った20年後のあなたって一体どんな状態なのでしょうか?
物件はどうなってますか? 古くなっているのか、壊れてるのか。
リフォーム費用はどうなってますか? 入居者は満室ですか空室ですか?
どれくらいお金が入ってきていますか?
描いているシミュレーション通りに賃料が入ってきてますか? 賃料は下がってないんでしょうか?
20年後のあなたって一体どんな状態なのでしょうか。
「よく分からない」
自分すらよく分からないことをして、成功するというのは中々難しいでしょう。
わからないのに、戦略なんて出来るはずもないのです。神頼みになります。
解決策は、ちゃんと自分で感覚がある投資額のもので、きちんと自分で判断できることをすれば、戦略が立てやすくなります。
感覚がある金額っていくら? という話ですが、あなたの貯金額が、あなたが感覚がある金額です。
そこまではあなたが経験のある金額ですし、それ以上は持ったことがない金額なので感覚がないです。単純な話です。
貯金が1000万円の人は、300万円の感覚はあります。500万円の感覚もあります。ずっと貯めてきたのでその過程で味わったはずです。
ただ、貯金が1000万円の人は、3000万円のお金の感覚は持っていないです。経験もないです。
もっと、具体的に考えられると、現実的にお金を作っていけると思います。
例えば、先ほどの1000万円の貯金の人が、100万円を使うなら、自分の中で感覚があります。
その100万円で、月に20万円の収入を作り、毎月20万円収入を増やすことであれば具体的に想像できるでしょう。
そのために、工夫できることをやっていくだけです。漠然とした不安はないはずです。毎月20万円を作るために具体的なことをやる。
最悪、損をしても、最大のリスクは貯金から100万円が減ることです。それ以上のリスクはありません。
このように、着実に、確実な「お金」を作っていく。
20万円の収入が入ってくるようになったら、2件目を増やし、月の収入を40万円にする。
40万円の収入が入ってくるようになったら、次は、60万円になるようにする。
具体的に、「これとこれをやったら、これだけ入ってくる」という予想が立てられるものをやった方が賢明です。
もちろん、感覚がないくらいの大金(借金でレバレッジを効かせる)不動産投資にもメリットはあり、それは、働かなくても収入が入ってくるということです。
「不労所得」と呼ばれます。
ただ、不労所得に憧れるのは、お金が出来てからでいいと思います。
動けるうちは動けばいいだけです。
不労に憧れると言ったって、寝たきりでないといけないわけでもないでしょう。
結論として、こう言ったタイプの方の解決策は、感覚を持ち合わせている範囲で具体的にできることをやりましょう。ということになります。