インバウンドが増えている理由

2013年に1036万人だった訪日外客数は2018年には3000万人超え。

インバウンドが増えている理由は何でしょうか。

解説します。

LCCによる運賃下落

ピーチやスカイマークなどに代表されるLCCは格安な運賃体系で人気を集め、就航路線数を大幅に増大。国外の航空会社を含めると、アジアを中心に現在では20以上の国と地域が羽田空港と結ばれています。

そんなLCCの躍進を背景に、大手航空会社も運賃引き下げに取り組み始めました。こうして旅費の多くを占める日本への飛行機代が安くなったことも、外国人観光客の増大につながっています

 

ビザの緩和

アジアからの観光客は訪日外国人全体の約4分の3を占めており、その中で最も多いのが中国人です。中国の急速な経済成長を背景に、日本政府は観光客誘致のため、2009年から中国の富裕層に向けて個人旅行のビザ発給を開始。

さらに、2015年にビザの条件を緩和したことで、多くの中国人観光客が日本を訪れやすい環境が整ったのです。

官民挙げての訪日促進活動

2003年から国土交通省が中心となって、「訪日外国人旅行者を1000万人にする」ことを目標に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開。海外での日本紹介イベントの開催、各種言語に対応した案内書の作成、コールセンターの開設などを行ってきました。

そして同時に観光ビザの発給要件緩和や免除、免税対象品の拡大、免税条件の緩和などの施策も実施。これらが徐々に実を結び始めたのも要因の一つと言えるでしょう。

 

1億人以上の中国人が海外旅行

中国人は、昔は仕事や留学などの目的以外では、自由に海外旅行ができませんでしたが、1997年に初めて、団体での海外旅行が解禁されました。

日本を訪れる中国人だけが増えたわけではなく、海外旅行をする中国人全体が増えた。

日本政府観光局(JNTO)の「JNTO訪日旅行データハンドブック2016」によると、2006年には中国人の約3,452万人が海外旅行をしていましたが、2014年には1億728万人と3倍以上に増えています。この年に、241万人の中国人が日本を訪れました。 

日本は、中国人への観光ビザ発給について、かつては慎重でしたが、2000年に団体旅行者へのビザ発給を解禁。

2009年には、年収制限を設けて富裕層への個人観光客へのビザを発給し始めました。以降、所得制限を緩めるなど、ビザの発給条件を緩和し、中国人観光客を日本に呼び込もうとしています。

日本への関心の高まり

日本の商品に魅力を感じている外国人はたくさんいます。アニメやゲームはもちろんのこと、コスメやファッショングッズも大人気で、近頃は日本の「カワイイ」文化が海外で多くの若者にウケています。

さらに2013年、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本の食文化への関心が高まっているのも追い風の一つとなっています。

 

高い満足度によるリピーターの増加

観光庁が実施した「訪日外国人消費動向調査」(2016年10-12月期)によると、日本を訪れた外国人観光客の満足度は高く、日本に「必ずまた来たい」「また来たい」と回答した割合は計93.3%に上ります。

そして、訪日外国人観光客の約6割は「リピーター」であり、特に香港、台湾からの観光客は約8割、シンガポールからも7割近くがリピーターとなって日本を訪れています。

 

まとめ:インバウンド増えている理由

•そもそも世界的に海外旅行する人が増えている

•ビザの緩和

•周辺国の可処分所得が上がった

•LCCによる運賃下落

•円安

•日本食への関心の高まり(2013年12月[和食]ユネスコ無形文化遺産に登録)

•官民挙げての訪日促進活動